第7回講演会「社会的インパクトを生む医療リーダーシップの実践」を、玉田寛様(IHLヘルスケアリーダーシップ研究会 理事長/医学博士/Remiges Ventures チーフメディカルオフィサー)にご登壇いただき開催いたしました(2025年10月25日(土))。

玉田寛様は1993年に自治医科大学医学部を卒業後、約7年間にわたりへき地医療に従事し、地域の多様な健康課題と向き合いました。自治医科大学卒業生特有の県庁職員としての契約のもと、地方の診療所で総合診療、小外科手術、小児科、地域保健まで幅広く担当し、地域医療の現場を深く理解。医療者としての社会的使命感を強く抱く契機となりました。
その後、臨床からアカデミアへ転身し、2002年から3年間、米国ミネソタ大学幹細胞研究所にて基礎医学研究に従事。ここで国際的な研究知見の習得と論文発表の経験を積み、科学的課題解決へのアプローチを深めました。研究環境の厳しさを実感しながらも、自身の強みを活かすキャリア形成を志し、2005年に製薬業界へ転職。
製薬企業では、日本、アジア太平洋地域、米国にて18年以上にわたり、メディカルアフェアーズ、事業開発、研究開発、マーケティング、新薬のグローバル開発など多岐にわたる役割を歴任。Pfizer、Merck、Bristol Myers Squibbなど米国系製薬企業で、製品開発の全工程に精通し、多職種連携とリーダーシップを実践的に体得しました。製薬企業の多様な規制や科学の交錯する環境で、新薬の上市、アライアンスマネジメント、人材育成、プロジェクト推進を率いました。
また、2009年には「ヘルスケアリーダーシップ研究会(IHL)」の創設に参画し、2021年10月より理事長を務めています。IHLでは医療・ヘルスケア業界の多様な専門職メンバーと共にリーダーシップ、イノベーション、人材育成を推進し、社会課題の解決に向け、「聴く力」と「実行力」を重視しながら、医療現場の創造性を社会に実装する活動に邁進しています。
現在は創薬特化型ベンチャーキャピタル「Remiges Ventures」のチーフメディカルオフィサーを務めるほか、複数の医療系スタートアップに助言を行っています。臨床医、研究者、製薬企業のグローバルリーダーとしての経験を生かし、医療・ヘルスケアの現場知見と社会的インパクト創出、多職種共創の重要性を力強く発信し続けています。

【主な役職・活動】
Remiges Ventures  チーフメディカルオフィサー(現職)
Remiges Ventures サイエンティフィックアドバイザー(前職)
ヘルスケアリーダーシップ研究会(IHL)理事長(2021年~)
日本内科学会認定医、博士(医学)、経営管理修士、公衆衛生学修士
多数の学術論文・講演・寄稿を通じて医療革新の視点を発信
製薬業界における高度専門人材としてのキャリア形成やリーダーシップの講演多数

本講演では、医療現場・研究・製薬業界・ベンチャー事業を横断的に経験し、その知見を融合した独自の視点で、より良い医療環境の実現にむけたビジネスリーダーの心得や他者との関係性の中でいかに『あるべき姿』を共創していくかについてご講演いただきました。